転売ヤーが目をつけたのは「食玩」
◆転売ヤーに抱く嫌悪感
転売と言うと嫌悪感を抱く人も少なくないのではないか。昨年はコロナによる巣ごもり需要も有り、Nintendo Switchの転売が世間を賑わせた事は記憶に新しい。昨年末から続くPlayStation5の転売に辟易している人もいる事だろう。
購入できれば高額で転売できるということも有り、いまだにゲーム機や高額転売品を求めている人も多いが、稼ぐ転売ヤーは更に次のステージに目を向けている。
秋葉原・新宿エリアで活躍する転売屋グループの主な稼ぎ頭はコロナ前と変わらず「フィギュア」や「ホビー用品」だという。ゲーム機などは確かに魅力的な転売商品だが、抽選販売や複数購入、再購入が非常に厳しいのでメリットが薄い。これに対してフィギュアや普通のホビーは複数購入も可能だし、買占めも可能だという。
イベントや通販限定で販売される限定品も転売対象だが、コロナで時間が余っている層や金欠で少しでも稼ごうと言う層が増えた今では旨味が少ないので、これらはあくまでも転売商品のうちの一つに過ぎない様だ。
◆ゲーセンに続く主戦場は「食玩」
そもそも、限定品などは転売屋やショップなど身内同士で値段を釣り上げる方法が常套手段。昨今の「ポケモンカード」の高額転売も転売屋同士の結託により値段が大幅につり上がっていると彼らは言う。
値段を転売屋やショップが操作し、つり上げるだけでまとめサイト等が「高額で売れるカードはこれだ」などと掲載してくれるので、一般人もあぶく銭を求めて参入し、結果的につり上げ価格が正当化され、さらなる価格高騰も見られる。
そんな彼らが現在主戦場にしている転売アイテムはスーパーやコンビニエンスストアでも購入が可能な「食玩」は、数百円~数千円と幅広い価格帯で販売されているおまけ付きお菓子。(まあお菓子よりもおまけのほうがメインなんですけどね)特に「ガンダム」や「仮面ライダー」などは幅広い層に人気でコレクターも多く複数購入も当たり前の世界。
◆転売価格が上がるメカニズム
食玩は毎週のように新製品が販売され、人気キャラクターからマニアックなキャラクターまで様々な製品がラインナップされている。さらに、食玩はよほどの事が無い限り再販は行われないので値段が上がり続ける製品も多いようだ。
今では大人買いパッケージなども販売されており、1BOX購入すれば全種類揃う仕組みで販売されている物もあるが、基本は通常BOXで入荷してバラ売りされる仕組み。この通常BOXにはアソート数が決められており、極端に個数が少なくなる製品もある。
人気アイテムやマニアックアイテム問わず、この極端にアソート数の少ないアイテムが大きく値段が跳ね上がる傾向にあり、なので転売屋は発売日にアソート数の少ない製品を購入、市場から製品が消えると高額転売が始まる。
ただし、高額とは言っても定価の数倍程度なので薄利多売がメインの様だ。転売価格変動は販売直後、一瞬だけ高額になり、しばらくは価格が迷走する。店頭から完全に消えると徐々に値段が上がっていくという。
◆鬼滅、呪術廻戦の市場人気は?
販売時にはAmazonFBA等を利用し、発送作業を楽にしたり懇意にしているショップに卸したりと状況により様々。最近では梱包の手間は増えるが、メルカリやヤフオク!を使って転売する事も多々あるという。
男性向けコンテンツ以外にも、女性向けコンテンツや児童向けコンテンツとあらゆる製品が食玩にはラインナップされている。
「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」など男女問わず人気のシリーズでは製品数も多く、旬がすぎれば売れなくなってしまうので見極めが重要とも。張り切って仕入れたは良いが、店頭での投げ売りが始まり、含み損になる状態もあるという。特に新規参入の転売屋がこの状態にハマりやすいとも彼らは言う。
一番くじや食玩などコンビニエンスストアで購入できる物は殆どが転売可能とも言える現代。気になる人は転売の動向を注視してみてはどうだろうか。
<取材・文/板倉正道>
【板倉正道】
テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
(出典 news.nicovideo.jp)
cresc. >高額とは言っても定価の数倍程度なので薄利多売がメインの様だ。 バカじゃねぇの?数倍って超高額じゃねえか、10円100円から20円200円なら良いとでも思ってんのかよ、消費者はそれを数十個買うんだぞ。「買い占めによってレアリティを捏造しない」「ランダム性の排除やレアリティをもって値段を上げる」これが必須条件だぞ。 |
ヨドち 食玩は、転売が買い占めるから一般の客が買えないとか抽選販売とかあんまり聞かないし、メーカーが終売して需要が有れば高くなるのは仕方ないと思う。PS5とかを買い占められて、一般のお客が買えない、って状態とは違うと思う。 |
下手の横好き 転売ヤーの買い占めで買えなかった奴らが、吊り上がった値段でも目の前でぶら下げらて、どうしても買っちゃう気持ちは正直分かる。だから買うバカが〜と切り捨てるのも酷な話よ。特殊詐欺みたいなもんで一つNOを突き付けたところでまた別な手口に走るわけだし。 |
もきち ごまだん氏 >購入日から5年は購入金額以上で販売できない法律 国内以上に海外から「価格制限で自由競争を阻害してる」って横やりされそうでできないんじゃないかな?安く売るのも高く売るのも販売上は「自由競争」だから。 |
Guest 食玩に関しては数量限定生産のせいで転売されているのだから、売れ行きが良ければメーカーが増産するのが一番だと思う。(欲しい人達はメーカーに、店舗で売り切れている事の報告と、増産・再販の要望を送るべき。) しかし、一般的な商品(継続的に生産しているが供給より需要が大きい物)で転売防止するには売れ行きに応じてメーカーが定価を変動させるしかない。 |
アオイユメ お名前借りて失礼します。「れが〜とさん」がおっしゃる通り、古くは江戸時代頃から存在した「ダフ屋」が呼び名を「転売ヤー」に変えてるだけなんですよね。つまり日本人は江戸時代の頃と変わってない。 |
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